大会中止の理由は県協会公式サイトでも公表されておりますので省略します。
1月8日に政府から2日目の緊急事態宣言が発令され、関東1都3県に合わせて北関東の群馬、栃木も新人戦中止を決定。
それに伴い、本県で開催予定だった関東新人大会も中止されました。
そんな中で、高体連専門部の役員の方々のご尽力により、結果的にはたった1日になってしまいましたが本県の新人戦が開催されたことに心から感謝しています。
大会を途中打ち切りとしたことも本当に苦渋の決断であったと思いますし、このような状況下では致し方ないことだと十分に理解しています。
また、医療従事者の方をはじめ国内外の多くの方々が、本当に大変な思いをしている中で、部活動の練習や大会を開催することに批判的な厳しいご意見が出ていることも理解できます。
実際に起きてしまった部活動クラスターのニュースを見ると感染対策の限界や恐怖も感じます。
ですから、このような状況の中で、スポーツイベントの開催そのものに賛否があって当然なのかもしれません。
新型コロナウイルスという初めての敵に、世界中の人々が手探り状態で戦い続けている中で、様々な組織が、あるいはリーダーが毎日のように難しい決断を求められています。
そして、必死に計画を立て、準備をしては、状況が一変しての中止や延期。
そのような繰り返しの中で、多くの方がやる気を失い、疲れてきているのを肌で感じています。
私自身も自分たちの努力が何らかの形で報われるのだろうかと無力感を感じてしまうことがあります。
この一年を振り返ると、2月にコロナ騒動が起きて以来、3月に臨時休校、4月に緊急事態宣言、分散登校と部活動らしい活動ができないまま、関東大会やインターハイ、国体が予選も含め次々に中止。
FoueCsとしても昨年の新人戦の雪辱を晴らすことができぬまま、ウィンターカップ予選を迎え、その予選においても力を出しきれずに悔しい負け方をしてしましました。
それに加えて、土浦日大高校のウィンターカップ出場辞退の悲報。
県内の良きライバルであり、国体をともに戦う仲間を襲った悲劇に、私自身としても「一体なんのためにやってきたんだろう」と思ってしまうぐらいの絶望感を感じました。
これはきっとバスケ界だけに限ったことではないと思います。
これまで厳しい練習を頑張ってきたスポーツ選手たちにとって、次々に目の前から目標が消失していく、言葉では表現できないほどの喪失感を感じている人は少なくないでしょう。
2021年を迎え、誰もが良い年になる事を願い、我々も心新たに新人戦に向かいました。
幸先よく初戦を良い内容で突破し、優勝まで走り切りたいと思った矢先の新人戦の中止決定でした。
翌日、今後どうしていくべきかと思い悩みました。
次の目標は?
頑張ったところで、また大会中止やコロナで目標が目の前から消えてしまうのでは?
どうしてもそんな後ろ向きな想像ばかりしてしましました。
選手たちにとって、明日からどうするべきか?
今日のミーティングで選手たちに伝えたい言葉を探し、辿り着いた答えは
「修証一等」
という禅の言葉でした。
「修」とは修行、「証」とは悟りの境地のことを指すらしく、修行も悟りも一等、つまり同じであるという意味とのことです。
スティーブ・ジョブズ氏の
「The journey is the reward.」
(終着点は重要じゃない。旅の途中でどれだけ楽しいことをやり遂げているかが大事なんだ。)
という言葉も紹介しました。
ついつい結果やゴールばかりに意識が向いてばかりしまいがちですが、大切なのはそこに向かって努力する「過程」です。
選手たちにも度々そう教えてきたつもりでしたが、当の私自身が結果に囚われすぎていたのかもしれません。
今に生きていることに、バスケができることにもっともっと感謝して、目標に向かって努力する「今」を大切にしていこうと強く感じました。
先行きが不透明であれば、先のことをあれこれくよくよと考えずに、今に集中して、今できることを精一杯楽しもうとも思いました。
大会がなくなっても、選手やチームの成長を感じることはできます。
目標が目の前から消えても、次の目標を見つけることができます。
たとえゴールと思っていた場所に辿り着けたとしても、それは決して終着点ではなく、死ぬまでまた次のゴールを見つけ、そこに向かう努力や日々を楽しむことが大切なのだと再認識できました。
そしてその日々こそが財産であり、多くのことを自分たちに与えてくれると信じて、FourCsは歩みを止めずに今できることをやり続けようと思います。
もちろん、今は「マスク着用」と「ソーシャルディスタンス」を意識してのトレーニングです。
今一度気を引き締め感染症対策を強めながら、その中で今できることを再認識して、春に向けて一歩を踏み出しました。
FourCsは歩みを止めない。
これからも応援よろしくお願い申し上げます。
監督 筑波 大
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